衆院選雑感

衆院総選挙での自民党圧勝。それについて何か書きたいと思うのだが、うまく考えがまとまらない。で、思いついたことを脈路なく。

私の住む選挙区の秋田2区には、自民党、民主党、社民党、共産党、無所属、の5人の候補者が立候補した。私は投票所に行ってからも、誰に投票するかまだ悩んでいた。投票したい候補者がいないのである。まあ、いつものことではあるのだが、積極的に支持したい政党もなかったので(消えてほしい政党はあるが)、直前まで棄権するかと思ったくらいだ。

これまでの私の選挙でのスタンスは、与党への批判票として野党へ投票する、与党に対するカウンターとして(最大)野党に投票するパターンが多かった。必然的に自民党の候補者に投票したことは一度もない。だからこれまでの国政選挙で私が投票した候補者が当選することはまれだった。だが、今回はさすがに欺瞞的で政策(マニフェスト)にも同意できない民主党を支持する気にはなれなかった。今回の選挙に限っては自民党しか選択肢がない…!? ベストではなくベターなどと言い訳して自民党候補者に入れようと一瞬思ったが、結局それもふんぎりがつかず…。私のような人は案外多かったのではないだろうか。

小泉氏は政治的な難局に遭遇すると、その節目節目でことごとくサプライズ的な賭けに成功してきたが、今回はその中でも最大の勝ちを収めた。小泉氏がもし勝てるという確信を持って解散、総選挙をしたのなら、政治的カンの本当に鋭い人だと思う。以前、私はこのブログで彼をニッポン最大のギャンブラーと書いたことがあるが、今は単に運がいいとだけでは片づけられないと思えるようになった。

小泉氏をヒトラーばりの独裁者だという人もいるが、この選挙で負けていればそれで全てが終わりだった。この人は確かに冷酷な面を持っているが、権力にあまり執着しているようにも思えない。ある新聞のコラムに「(小泉氏は)権力に対してニヒリストでありすぎるようにみえる」とあった。それが案外当たっているように思う。

ところで、秋田2区で結局当選(約8万1000票獲得)したのは、郵政民営化法案に反対したN氏。28年間自民党一筋で国会議員生活をしてきた地元の名士、というか、親分(ドン)的存在の人だが、今回は無所属で立候補した。次点はこのオオモノ議員の対抗馬に、いわゆる「落下傘候補」、「刺客」として立った自民党の新人O氏。約5万3000票を獲得した。
N氏のような利益誘導、陳情政治、地縁、血縁などの地盤に支えられた、こうした旧来の自民党型の議員が他の選挙区でも「刺客」に勝って、実際は結構しぶとく生き残っているようだ。だが、これまで全く秋田に縁もゆかりもなく、選挙がはじまるまでは顔も名前も知られていなかったどこの馬の骨かもわからない若造であるO氏が、3万近くの差があるとはいえ一応善戦したことは、これまでの選挙だったら考えられないことだろう。

これまで秋田のような地方の立候補者に求められたのは、旧来の自民党の議員が言い続けて来た「地元への貢献」「地元への還元」だった。だが、今の若い人たちは地元への利益誘導などほとんど興味がないはずだ。田中角栄の時代じゃあるまいし、もはやそんなことで票が集まる時代ではない。地方も都市部も生活の便利さではほとんど差異がないといっていい。箱モノはもうたくさん、橋もトンネルももういらん。じゃ、何を争点にするか。何を訴えるのか。立候補者が地元への利益誘導を訴えるだけではなく、(郵政民営化という)国政を争点とした今回の選挙は、その意味で歴史に残るかもしれない。

できることなら近い将来に政界再編が起こり、もっと思想的・政策的にまとまった政党が生まれ、消極的にではなく、積極的な投票をすることができる選挙が訪れんことを…。(その前にひとまず公明との連立を解消してくれ!)
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by toshibon28 | 2005-09-15 03:07 | 時事社会


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