昨年大晦日のToshibon'sBlogの「大晦日といえばナマハゲだ」に、「画一的な今のナマハゲ面に違和感がある」と書いたのだが、その声が届いたのかどうか、男鹿地域(男鹿市・若美町・天王町)88地区のナマハゲ面約200点を収録した写真集『ナマハゲ-その面と習俗』(日本海域文化研究所)が発刊された。
現在、メディアに登場するナマハゲ面は、ほとんどが一人の彫り師が制作した鬼様の木彫り面で、それがナマハゲの姿として一般的には知られている。だが、ここに収められているのは各集落ごとに伝承されてきた昔ながらの手作り面で、素材は杉やケヤキ、ザル、トタン、紙粘土など様々。色彩も色紙や塗料で赤青、金銀などを組み合わせ、その多彩な表情は個性的で見ているだけで楽しくなる。 この写真集の表紙(↓)は男鹿市船川港芦沢地区のナマハゲ面が飾っているが、これは岡本太郎が1957年の冬に秋田を訪れて撮影し、『日本再発見-芸術風土記』(新潮社)に掲載したものと同じ面だという。 岡本太郎はナマハゲを見て、次のように直感した。 「秋田ほど東京から遠いところはない、という感じはある。雪の壁は深く、ここには別の時間が流れているようだ。(中略)だが私はこのような、いわばとり残されたところに、古くから永遠にひきつがれて来た人間の生命の感動が、まだなまのまま生き働いているのではないかと思った。たとえば〈なまはげ〉の行事などに」 「〈なまはげ〉自体はそもそも鬼なのかどうか、問題がある。それはあらゆる原始的な人間社会に見られる〈霊〉のあらわれである」 「私が〈なまはげ〉にひかれたのは、第一にそのお面だった。(中略)大たい日本のお祭りの面などが、とかくしらじらしくこまっちゃくれているのに、底抜け、ベラボーな魅力。古い民衆芸術のゆがめられない姿だ」 (岡本太郎が撮影した芦沢地区のナマハゲは、『岡本太郎が撮った「日本」』(毎日新聞社)、『岡本太郎の東北』(毎日新聞社)、『岡本太郎神秘』(二玄社)に掲載されている) この写真集は、資料的に価値が高いのはもちろんだが、近年、ともすれば画一的なイメージだけが全国に伝播しているナマハゲの多様性、その豊かさの全貌を見せてくれる点で画期的だ。プリミティブ・アート(?)写真集としてもオスススメしたい。 『ナマハゲ-その面と習俗』はA4判、2800円。男鹿市内、秋田市内の主な書店で販売している。注文問い合わせ:日本海域文化研究所(真山神社内)℡0185-33-3033 ![]() toshibonさん 先日5歳になる孫が誇らしげにこの本を抱えてやってきました。実は1冊目は、片時も離さずに持ち歩いていたためボロボロになってしまい 5歳の誕生日に2冊目を買ってもらったそうです。おうちのばあちゃんが本屋さんに無くてわざわざ真山神社に行って購入したとの事でした。 それぞれの地区の面を見ていると つくった人々の息づかいや周りの風景まで想像してしまい 何とも不思議な気持ちになりました。 男鹿から離れたところで育った私は、ずっとなまはげの面は 1種類と思っていたので(よく写真や映像で見るとても怖い面) 何とも奇妙でユーモラスな面や使われている材料はとても興味深いです。 私がこの本を読んでいたら 孫が、ばあさん、これが真山のなまはげ、これは潟端のなまはげ、そしてこれは、天王のなまはげ…と解説してくれました。でも本物のなまはげには 絶対会いたくないと言い張ります(笑) なまはげ行事は同じ日、同じ時刻にやるので、集落同士で見比べることができないため、地区ごとにしきたりが違い、お面にも個性がありました。今は同じ人が彫った木彫のなまはげ面に画一化されているのが、残念です。
それにしても、男鹿の各集落のなまはげ面を覚えておばあちゃんに解説してあげるなんて、なんて素晴らしいお孫さんでしょう!! 大きくなったら、是非本物のなまはげになって、潟端のなまはげの伝統を絶やさないでもらいたいものです。
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