ついこの間、2008年になったと思ったら、もう3月。月日が列車の車窓に流れる風景のように―それもスクリーンプロセスを使って撮影した映画の1シーンのように―私の背後であっという間に遠ざかっていくようだ。
毎年、今ごろの時期は年度末の〆切でアップアップなり、精神的に追いつめられるのが恒例で、今年も懲りずにそんな状況に陥ってしまった。時間的に余裕があるうちに仕事を片付けていればいいだけの話なのだが、それがなかなかできない。なんとかメドはついたが、こんなことを繰り返しているようでは、早晩信用を失うのではないだろうか。(などとひとごとのように書いていていいのかね) 自分の怠け者体質というか、逃避体質というか、キリギリス体質というか、楽な方へ楽な方へと走ってしまう性向は若い時からのもので、歳をとっても少しも改善されることなく今に至っている。昨年秋に出た村上春樹氏の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んで、自分の軟弱さを恥じたのだけど、だからといって今日から自己改造に取り組むぞ!なんて思わないところが、またキリギリス体質たる所以で…。 それにしても、村上氏の自己管理能力、持続力、辛抱強さの源はどこにあるのだろう。 私は血液型・星座の性格鑑定(分析)というのを信じているクチで、一時相性(恋愛)占いにも凝ったことがあった。その知識から判断すると、それは村上氏が山羊座のA型だからだ!と、天秤座B型のtoshibonは勝手に結論づける(ほんとか?)。 頑固だが芯が強く、不器用だけど誠実で…。中身よりも外見(そとみ)を重視する快楽主義の天秤座とはえらい違いなのである。 ところで、村上氏の奥さんは意外やtoshibonと同じ天秤座B型らしい。この組み合わせは相性が最悪なはず。行動パターンや価値観が全く違うから。でも村上氏が今の奥さんと結婚する前の恋人が水瓶座だったというので、なるほどと思ったりする。人は自分にないものに惹かれるというから。村上氏の小説に登場する女性はたぶん知的で純粋な水瓶座や奔放な天秤座じゃないかと思う。少なくともがまん強い山羊座や嫉妬深い蠍座じゃない。それに反して男のほうはなんか地味でグジグジした感じ。割り食うタイプで…。少なくともノー天気で軽薄な天秤座や移り気な双子座じゃない。 ただ、ひとつだけ前から気になっていたことがある。それは、村上氏がこの天秤座B型の奥様を著書に「うちの奥さん」と書いていること。『走ることについて語るときに僕の語ること』にもひんぱんに出てくる。「うちの奥さん」という言い方は、いつのころからか一般化しているようで、Googleで検索したらなんと247,000 件もヒットした。でも、この言い方は(正しい)日本語としては間違っているのではないだろうか。 「大辞林」(小学館)によれば― ・おくさん 【奥さん】 〔「おくさま」の転〕他人の妻を敬っていう語。 「―によろしく」 〔「おくさま」より少しくだけた言い方。現在は広く一般に用いられる〕 ・おくさま 【奥様】 (1)他人の妻を敬っていう語。もと、公家(くげ)・大名などの正妻をいったが、のち一般の武家・商家でもいうようになり、現在は、広く一般に用いられる。 * * * * * * * * 日本語には妻と同じ意味で使われることばがたくさんあって、Yahoo!辞書の類語辞典で調べたら、以下のように出てきた。 ・つま【妻】の類語 〈男の〉連れ合い 〈社長〉夫人 婦君 細君 主婦 女房 嬶(かかあ) 内儀(おかみ) ワイフ ▽先妻 前妻 ▽後添い 後妻 今の妻 現妻 ▽後家(ごけ) 未亡人 #(相手方の) 奥様 奥方様 御奥方様 ご令夫人様 ご令室様 ご内室様 ご家内様 ご新造様 ご寮人様 ▽(自分側の) 妻(つま・さい) 家内 愚妻 老妻 小妻 拙妻 〔名〕 #亡き妻 ▽(相手方の) 故奥様 故ご令室様 亡き御奥様 ▽(自分側の) 亡妻 亡き家内 亡き妻 亡き〔名〕 ほかによく使うのは「(うちの)かみさん」だろう。子どもができたら「かあさん」と呼ぶようになる人も多い。「山の神」なんていうのもある。あとよく耳にするのが「うちの嫁、嫁はん」という言い方。TVで関西の芸能人が喋っているのが伝染したのか、最近は関西出身以外の人も使ったりしている。これにも違和感を覚える。 ただ、「うちの奥さん」や「うちの嫁はん」という言い方が一般的になっていくのも、わかるような気がする。みんな自分の妻が好きで愛しくて、そしてちょっぴり怖いのだ。その気持ちを表すには、「妻」じゃ堅苦しすぎてそっけない。「女房」はちょっと古くさいし、「細君」はなんかきざったらしい。今どき「ワイフ」や「ベターハーフ」の横文字もどうかと思う。「家内」なんて差別語じゃないか?。考えてみれば日本語には英語の「honey」「darling」のような夫婦間の親密さを表す言葉がない。松任谷(荒井)由実の歌じゃあるまいし、「マイダーリン」「マイハニー」と呼び合う夫婦は、この日本では稀少だろう。「うちの奥さん」のことばの中には、英語の「my honey」の意味合いが含まれているのではないだろうか。 「うちの奥さん」は日本語の用法としては間違っているのだけれど、村上氏のことだからそれをわかっていてわざと使っているのかもしれない。だって、村上氏の一番(最初)の読者は奥さんであり、おまけにマネージャーでもあるのだから。ということは、toshibonと同じ恐妻家なのか!? ちなみに私は妻のことを対内的(身内や親しい友人)には「名前にさん付け」で呼んでいる。対外的には「妻」がほとんど、たまに「連れ(合い)」も使う。「うちの奥さん」を使ったことは一度もない。妻のほうは私のことを対内的には「苗字に君付け」で呼んでいる(ようだ)。職場では「旦那」とも言っているらしい。対外的にはよくわからない(たぶん夫か)。一度だけ私の友人に「主人」ということばを使ったことを知っているが、もの凄い違和感があった(笑)。 ほんとは村上春樹氏の『走ることについて語るときに僕の語ること』の感想文を書くつもりだったのだけど、久しぶりの妻ネタになってしまったようで…。 確かに世間では、「うちの奥さん」の言い方を嫌う人々が存在していますね。以前勤務していた印刷会社の社長が、朝礼でそのことを厳しく非難していました。3割の人員削減中だったので、とりわけ違和感を持って聞いていましたが。 妻が愛犬に向かって、私の名前を呼ぶことが最近ありました。ちなみに私は妻に向かっては、名前に様か、ちゃんを付けております。外では相手の趣向と場を感じ取り、「うちの奥さん」か「妻」を使い分けております。「愚妻」とか「宿六」とか懐かしい気も少ししますが。 >>朝礼でそのことを厳しく非難 すみません。社員が社長の前で、「うちの奥さん」と言ったことを非難したということです。 射手座O型(確かそうでしたよね?)のpascalさんが「うちの奥さん」派とは、知りませんでした…orz
>ちなみに私は妻に向かっては、名前に様か、ちゃんを付けております。 …絶句。愛妻家であることがヒシヒシと伝わってきます。私も見習いたいです。 職場のパソコンでこのブログをチェックしているらしい私の妻(蠍座O型)は、早速、「蠍座は嫉妬深くない」とクレームをつけてきました。なんでも「嫉妬深くないけれど、執念深い」のだそうです。私にはどっちにしたって恐ろしい性格に思えるのですが…。
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